本厄で起きた悲劇の話。①

 

まえがき

 
少し前の記事に書いたのですが、
私は今年本厄を迎えています。
 
 
もうすぐ1ヶ月が経過しますが、
やはりひしひしと本厄を感じています。
という事で、今年1年は
際立ってついていなかった出来事を
だらだら書いていこうと思います。
 

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ある日の仕事帰り、

私は自分が住むマンションの目の前にある

小さな居酒屋に来ていました。

最近はこの居酒屋に

休みの前の日に訪れることが日課になっています。

スライド式のガラス扉を開けると、

カウンターにはよく見かける常連さんが2人。

「おー!kontomoくん!」

マスターのハスキーな声が店内に響き渡ります。

「生でいい!?」

私がうなづくといつもお店を手伝っているちえさんが厨房で生ビールを継いで戻ってきました。

「聞いて!今日このお店の入り口にタクシー突っ込んでん!!」

伝えるウキウキ感とヘビーな

内容がかみ合っていません。

詳しく聞くと、つい4時間ほど前、お店の開店準備のために出勤したところ入口付近の壁が凹んでいたそうです。

店内をよくみると、入ってきた扉の横の壁にはガムテープで補強が施されていました。

「外観大丈夫やから営業してるけど、すきま風すごいからガムテープで塞いでるねん。」

非常に満足げな顔をしていました。

フリーダムすぎて震えます。でもむしろそういうとこが好きでこの店に来てます。

 

そこからしばらくメニューを眺めていると、

「自分よく1人できてるやんな?」

と隣から声をかけてくる男性がいました。

「あーはい!僕もみたことあるんですけど、お名前がちょっと…すみません!」

「そやんなごめん!俺よしお!店の壁穴空いたいうからちょっとみにきてん!」

よしおさんはこの店の常連で、普段は建設業を営んでいるそうです。

店の壁の修理の為にマスターが連絡をし、そのままカウンターで飲んでいたみたいです。

年は離れていますが、よしおさんとは何故か気が合いました。

それからはよしおさんと私、そして壁の件も落ち着いて安心したマスターと3人でたわいもない話で盛り上がりました。

 

時間も深夜12時をすぎた頃、

よしおさんの携帯に1本の電話がかかってきました。

「奥さんからじゃないですか?結構もう遅いですし。」

「そうやわ、ちょっと待ってな」

そういって電話を取るよしおさん。

(奥さんから電話ってなんか羨ましいな。)

そんなことを考えていると、

「お前なに言うてんねん!!!あほか!!」

怒鳴り声が店内に響き渡りました。

さっきまでの優しい雰囲気が一転、

よしおさんは般若のような

形相を浮かべています。

 

「誰が不倫や!楽しく酒飲んでるだけや!!だいたい横の子は男や!!」

 

不倫?男?なんの話でしょうか?

 

「kontomoくん聞いてくれ!!ウチの奥さんがさっき外から店の中のぞいたらしいねんけど、君のこと女の子で不倫相手やと思ってるねん!わけわからんわ!!」

 

女の子?不倫相手?

パニックです。

聞けば、少し前に外から店を覗いて

私のことを不倫相手と勘違いし、

「若い女の子と飲んでるでしょ今!!!」

と憤慨した奥さんが電話を寄越したそうです。

 

しかし待ってください、私は男です。

たまに剛力○芽に似てるね。なんて

言われたりもしますが、

生まれてこのかたずっと男なのです。

育ち盛りの23歳魚座のA型。

趣味はアイドルと日本庭園鑑賞。

若さと渋さを兼ね備えた、

正真正銘の男なのです。

 

「ちょっとゴメンやけど、電話変わって説明してくれへん?」

仕方なく電話に代わり、説明をすることにしました。

「すみませんkontomoと申します。紛らわしい見た目ですみませんが、男なんです。」

こんな説明をしたことがないので、伝え方もわかりません。

しかし奥さんは、

「そんなん信じれるわけありません。主人と変わってください。」

…怖い。怖すぎます。

怒りに我を失った女性というのは、

こんなに低い声で喋るのか。

「すみません、信じてくれないです。」

とりあえずよしおさんに電話を返し、

温かいお茶をすする。

そして考える。

私は今なにに巻き込まれているのだろう。

昨年世間を賑わせた不倫問題に、

自分が巻き込まれるとは思ってもみませんでした。

だがしかしこれは不倫ではありまへん。もはや未遂でもありません。

ただの勘違いなのです。

 

この後よしお夫妻の、

横にいた子は男だ。いや女だった。

の押し問答は3時間続きまひた。

その間私は家にも帰れず、

20分ごとに電話に代わり説明をし、

信じてもらえず電話を返し

お茶をすするというサイクル繰り返していました。

午前3時。私のお腹はお茶でタプタプです。

 

結局その後、よしおさんの家に着いて行き

奥さんに直接説明をしましたが、

「さっきの人と別の人を用意しただけでしょ!!」

と最後まで信じてもらえませんでした。

 

その日からよしおさんとはまだ会えていませんが

たぶんまだよしおさんの奥さんの中では、

私は女として存在しています。

 

今となっては、

あの日店にタクシーさえ突っ込んでいなければと、

ぶつけどころのない怒りを

運転手に向ける日々です。

 

 


 

 

あとがき

文章力がなくわかりづらいところが多いと思います。すみません。悲しい。
今年本厄で悪いことが起こるたびに、自分の文章力が上がることを祈るばかりです。
 
最後までお読みいただきありがとうございます。