辻村深月 凍りのくじら【感想】

 

「あなたの描く光はどうしてそんなに

 強く美しいんでしょう」

「暗い海の底や、遠い空の彼方の

 宇宙を照らし出す必要があるからだ」

 

藤子・F・不二雄を深く愛し、

尊敬していた写真家の父「芦沢光」。

その名を引き継いだ新進フォトグラファー

芦沢理穂子の

高校時代を回想するところから

始まる物語。

 

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あらすじ

 

文庫本背表紙より、

 

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、

その作品を愛する父が失踪してから5年。

高校生の理帆子は、夏の図書館で

「写真を撮らせてほしい」という

一人の青年に出会う。

戸惑いつつも、

他とは違う内面を見せていく理帆子。

そして同じころに始まった

不思議な警告。

みんなが愛する素敵な”道具”が

私たちを照らすときー。

 

誰とでも分け隔てなく仲良くできるものの

周りの友人や母親、元恋人などを

見下し、本当の自分の居場所を

見つけられない理帆子。

 

そんな彼女は、父親の影響で

漫画「ドラえもん」が大好き。

 

藤子・F・不二雄を「藤子先生」と呼び

彼のSF=少し不思議

という考えに感銘を受け

心の中で他人に少し・〇〇

個性をつける遊びをしていました。

 

より良い男を求めて

飲み会を渡る女友達は

少し・ファイティング

 

30代のころに病を持った夫が蒸発し、

現在自分も病に侵される母親は

少し・不幸

 

司法浪人生で、他人をバカにし

敬意を払うことができない元彼は

少し・腐敗

 

そして、周りを見下し

居場所のない自分に対しては

少し・不在

 

不在の自分の個性と向き合いつつも

受け入れたくない理帆子の前に

1人の青年が現れる。

 

感想

 

作者の辻村深月さんは

理帆子と同じく

ドラえもん」の大ファンだそうで、

各章のタイトルが

ドラえもんの道具になっています。

 

ドラえもんをあまり知らない方にも

わかりやすい道具の説明と共に

物語にもその道具を綺麗に絡めていて

辻村さんの作家としての技術と共に

ものすごいドラえもん愛を感じれます。

 

内容としては、

すごく登場人物に対して

気持ちを入れて読んでしまう

不思議な小説だと思います。

 

芦沢理帆子は

すごく地頭がよく

勉強はできるが

生き方がすごく下手で、

不器用な姿や行動に

「なんでそうするの!?」

と心の中で叫ぶ場面が

何度もありました。

 

ちょっとややこしく、

友人たちも関わることを止める

元彼と縁を切れず

最後にとんでもない事件が

待っています。

 

しかしこれには、

理帆子が悪い部分も多すぎて

主人公なのに100%かばいきれない

気持ちになります。

 

そして、ミステリーサスペンスと

銘打っているだけあって、

最後にわかる

理帆子の前に現れた青年

「別所あきら」の正体には

驚きました。

 

最後まで読み切って

全てを理解した後に

絶対に2回目をすぐに

読み始めたくなると思います。

 

辻村作品の中でもすごく読みやすく

大好きな作品の1つです!

 

こんな方にオススメ

 

 

特に辻村作品をまだ

読んだことがない方は

この「凍りのくじら」から

読み始めるのがおすすめです!!

 

 

少しでも気になった方、

ぜひ読んでみてください!

 

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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